4室の土星と母親運
こちらがピアニストの辻井伸行さんのムーン・チャート。
実はこのムーン・チャートを見て。
私的に一番興味深いな、と思った点は『4室』です。
4室には土星が在住。
これがシンプルに出る場合。
母親が厳しい。
プレッシャーをかけてくる。
だから、母親が苦手。
そんな感じで出たりします。
でも辻井さんの場合。
まったく逆の働きになっています。
母親が辻井さんの目の代わりとなって。
とにかく一緒に行動していました。
それだけではなく。
一緒にいるときには、その時に見えている風景をどんどん伝えていきました。
これが目の見えない辻井さんの感性を、どんどんと育んでいくことになりました。
辻井さんがここまで活躍できた理由。
その大きな理由には、母親の全力のバックアップがあったから、という事は書籍などからも明らかになっています。
真逆の出かたをする理由
つまり。
土星の4室は同じであっても。
一方は母親が厳しい。
一方は母親が尽くしてくれる。
まさに真逆の働きをしています。
ここが実に興味深い。
さて。
なぜでしょうか?
これには2つの理由があります。
1つは土星の持つ逆転性の特徴。
もう1つは支配星(ディスポジター)の影響。
次に、それぞれを見てみましょう。
土星の持つ逆転性
土星には。
『悲しみ・苦労・忍耐・抑圧・プレッシャー』という意味があります。
同時に『奉仕』という意味もあります。
だから土星が4室にあると。
母親は何らかの悲しみと苦労を持ちやすい傾向があります。
でも。
母親がその土星の『悲しみ・苦労』を飲み込んでしまうと、逆転現象が起きます。
土星は『奉仕』という方向にベクトルを変えて、とても良い働きをしてくるようになります。
辻井さんの4室の土星の場合。
母親は目の見えない子供を育てる、という悲しみ・苦労・プレッシャーに心が折れることなく、できるだけ肯定的に見つめる努力をしたそうです。
それによって。
その土星の悲しみと苦労のエネルギーを飲み込み、土星を『奉仕』というベクトルに見事に逆転させて、より肯定的になることになりました。
そののちに。
土星が4室から1室にアスペクトしていますから、1室である辻井さん本人に奉仕し続けることになりました。
こうした逆転性。
これは、土星の持つとても重要な良い働きの一つです。
4室の支配星:木星
もう1つ。
それは4室の支配星の働きです。
辻井さんの場合。
4室の支配星は木星になります。
そもそも木星自体が最大吉星。
その木星には『保護』という意味があります。
この木星の配置がさらに良い。
『幸運・導き手』の示す9室にあります。
これらによって。
母親はとても『保護的』な『導き手』としての役割を果たします。
さらに木星は。
9室から1室にアスペクトしています。
これが、『保護的な導き手』として、1室である辻井さん本人にそのエネルギーを降り注いでいます。
つまり。
この土星の逆転性。
木星の保護性。
この2つが重なることによって。
4室土星の意味合いが、普通の人が出やすい象意と全く真逆の方向で出ています。
実に興味深いです。